無断ムダン転載テンサイはご遠慮エンリョクダさい
ディスカス飼育シイク四方山ヨモヤマバナシ
NEWSより抜粋バッスイ The Discus 北風良介チチ
濾過器ロカキ 2005年7月7日 (モク
今、この日本でディスカスの飼育をされている方の99%は水槽に何らかの濾過器を付けているはずです。
一般的には上部フィルターが多いかと思います。コスト的に求めやすく又メンテナンスの容易さが要因かと思われます。
次にはエーハイムを代表とする外部式、静かで見栄えがよく高価な魚を飼ってるんだ!っていう気にさせてくれます。
又、濾過能力も非常に素晴らしく立ち上がりのスピードはbPでしょう。
そしてテトラを代表とするスポンジフィルター、見た目以上に濾過能力が高くブリーディングには欠かせない優れものだと言われています。
その他オーバーフロー式、又一部マニアの皆様は集中濾過、ドライタワー等にて日々、水の浄化に励んでいらっしゃいます。
面白いものでディスカス飼育者が100人いれば100通りの飼育法があるというくらい皆さんいろんな方法をされています。
なかでも結構多いのが、上部+外部+スポンジ…これだけ付ければ万全だ!なかには外部を水槽の両サイドに設置されている方もいらっしゃいます。
そうそう、あるあると思ってらっしゃる方、多い筈です。
何故なら、Shopが濾過器の山盛りを薦めるのが先ず一つ!そして日本人の濾過器信仰!濾
過器があれば水が綺麗になる=ディスカスが元気…となる筈なのですが、どうですか皆さん、
魚を入れて2〜3ヶ月は凄く綺麗で元気だったのに…最近餌食いが悪い、怯える、蛍光灯をつけると走り回る、
黒ずんできた、身体に膜がはる、眼が白濁した、ヒレをたたんでボーッとしている、
水ミミズが湧く、いくら水換えしてもPHがドーンと下がる、ついには飼育水の白濁等々…何故なんでしょうか?
きっと濾過が足りないんだ!と、濾過器を追加設置される方がほとんどです。
もしくは、病気だと思い薬を投与、直ぐに治らないから次は異なる薬の投与、そして懸命なる看病も空しくディスカス君は帰らぬ魚に…
皆さん経験ありませんか?
ディスカス道に踏み込んだ誰しもが通る道です。
然しながら本を読んでもネットを見てももう一つはっきりしない…なんでだろう?
いいところで申し訳ありませんが、この続きは又明日。
バクテリア 2005年7月8日 (キン
バクテリア…アクアリストにとって、なんとも摩訶不思議な響きをもつ言葉です。
よーわからんけど、なにかしら正義の味方みたいな感じがしますよね〜…
「熱帯魚の飼育にはバクテリアが欠かせません!是非!」ってSHOPで言われた方、手を挙げて下さい〜あ〜皆さんですね!
そうなんです。バクテリアと言う響きにつられ、ついつい買ってしまうのがバクテリアの素!では、バクテリアとはなんぞや?
バクテリアとは微生物、要は細菌全てを表す言葉です。
へえっ〜、バクテリアって水を綺麗にする生物のことだと思ってたという方、沢山いらっしゃると思います。
勿論、魚にとって有毒となる水中のアンモニア・亜硝酸を無害な硝酸塩に分解する正義の味方・好気性バクテリアは有名ですが、
そうそうマニアにとって好都合なことばかりではありません。
逆に硝酸塩を亜硝酸・アンモニアに分解する悪玉・嫌気性バクテリアというのも居るんです。
濾過器セット(水槽立上げ)当初は勿論何のバクテリアもいません。
魚を入れ、バクテリアの素を入れ、そして毎日の投餌、アンモニア・亜硝酸を測定し換水
…約1〜2週間後 水がピカピカになりディスカスは餌をくれ〜っと貴方を見て寄ってきます。そう!マニア垂涎の一時です!!!
よしよし、もっと食べなさいと、どんどんハンバーグを給餌、すくすくと大きくなってゆきます。
ディスカスの飼育は結構簡単なんだなぁーと思った時に突然起きるんです。
若・成魚版ハンバーグシンドロームが…!
誰か毒でも入れたのか?っと思うくらい昨日までとは一変、黒ずんで膜を張り眼は白濁
…大変だ!病気だ! 薬をドボドボ投与、そして悪化、帰らぬ魚に…
ハンバーグというディスカス育成の為に発明された飼料は素晴らしい効果を各個体にもたらします。
成長の早さ、肉厚の凄さ、そしてハンバーグにビタミン・ミネラル等々アレコレ混ぜ合わせることにより健康増進
潜在的な発色の促進、繁殖意欲の増進、駆虫薬混入…ホントに素晴らしい飼料です。
ところが、これがある日突然マニアを地獄のどん底に落とすんです。
と、いうところで続きは又明日。
ハンバーグシンドローム 2005年7月10日 (ニチ
水槽を洗い、水を張り、濾過器をセット!準備OK!待望のディスカスを入れます。
最初はこわごわとほんの少しずつハンバーグを投餌〜よーし、食べた食べた!
貴方が水槽の前に来るたびに餌をねだり身体をくねらせながら寄ってきます。
よしよし、もっと食べろ〜早く大きくなれよ〜〜見る見る内にドンドン大きくなって
可愛いことと言ったらありません。
案外簡単だなぁ〜少しヒーターのコードや水槽のガラスに何やらヌルヌルしたものがついてるけどみんな元気だし
むやみに水槽に手を入れるのはよくないってShopの店員さんが言ってたからまぁいいや…
心当たりはありませんか?
3〜4ヶ月後、悲劇が突然訪れます。
可愛い愛魚たちが鰭をたたみ、身体に膜を張ったり、真っ黒になって、あ〜しんどいよ〜っとうめいています。
こんな経験ありますよね?
これって一体なんなのでしょう?
原因はハンバーグの残りカスなんです!!
ハンバーグを投餌、一切合切なにも残さず食べ尽くしてくれれば問題ないのですが現実には不可能です。
眼に見えないようなカスがフィルターの中へ吸い込まれます。
このハンバーグのカス、即ち生肉のカス、蛋白質のカスはフィルターの中でドンドン蓄積されてゆきます。
水でふやけたハンバーグがどれくらいのスピードで腐敗するのか?
皆さん一度試してみてください。ハンバーグに水をかけ1日放っておいてみてください。
ものすごい腐敗臭がしますから〜オエッてなりますよ。
この残りかすは通常上部フィルターの場合、最初にセットされている白いウールマットにたまります。
ウールで濾してるからいいじゃないかとお思いでしょうが飼育水がその汚れの中を通って水槽へ戻って行きます。
濾過器の中を通って綺麗になる筈の水がどんどん汚くなって行くんです。
そして濾過器の下部には殆どの方がリング状の濾材、又はスポンジ等を敷かれていると思います。
このメイン濾材の表面にハンバーグの残りかす、蛋白質のヌルヌルがへばりつくのです。
正義の味方、濾過バクテリア(好気性バクテリア)も負けじと戦うのですがこのヌルヌルを分解するのはなかなか大変で
分解するスピードよりも早くヌルヌルが濾材の表面をコーティングしたように覆い尽くしてしまいます。
こうなるとOUTです。好気性バクテリアと言う限り酸素の供給がなくては生きていけません。
生息環境の表面を完全に覆い尽くされたバクテリアは全滅します。
そして悪玉バクテリア(嫌気性バクテリア)が出現します。
不思議なことに善玉バクテリアはなかなか増殖してくれないのですが悪玉バクテリアはあーっという間に増殖します。
水中の硝酸塩を亜硝酸・アンモニアに再分解するわ、ディスカスのエラ・体表にまとわりつくわ
腐敗細菌が飼育水を腐らせ酸化させ生息不可能な水に変化させてしまいます。
これが若魚育成版ハンバーグシンドロームです。
では、どうすればいいの?…答えは掃除です。
具体的にどうすればいいの?…はい、では日々のメンテナンスにはいりましょう!
ですが、14日入荷の準備もございますので続きは又、明日。
上部ジョウブ濾過器ロカキ 2005年7月12日 (
日本人の濾過器及び濾過バクテリア信仰はもの凄いものがあります。
濾過器さえつけておけば、それも沢山つければつけるほど魚は元気に飼育できる!って!ある意味正解ではあります。
しかしながらディスカスの飼育においては決してそうとばかりは言えないんです。
それは何故か?先日お話したハンバーグという特異な餌によるからです。
そしてディスカスという魚は綺麗に食事をしません。口に含んでは、ブフォっ〜と吐き出しハンバーグのカスを撒き散らします。
このカスが濾過器に入り込みます。
では、日頃のメンテナンスは如何にすればいいのでしょうか?
当店、現在110本の水槽にて運営しておりますがそのうち1/3を上部濾過器にて管理しています。
吸い込みストレーナ部にテトラPTフィルターを付け濾過器へのハンバーグの侵入を先ず塞き止めます。
もっと目の細かいスポンジの方がいいんじゃないのと仰る方、目が細かすぎると直ぐに目詰まりして
濾過器へ水が上がらなくなることがあります。粗目のスポンジにして下さい。
次に、濾材ですが先ず底が見えなくなる程度に円筒状の濾材を敷き詰めてください。
あまり高価なものでなくても結構です。高価なものほどより細かな孔が開いており立ち上がりは早いのですが
より早く目詰まりを起こします。
因みに当店ではパワーハウスのベーシックソフトを使用しています。
その上にウールマット、そう白いやつです。これを2枚敷いて下さい。
これで完了。どうしてもバクテリアの素を入れたい方は極少量を円筒濾材にふりかけて下さい。
極少量を心がけてください。それぞれのディスカスにとって必要とするバクテリアは様々です。
その必要とするバクテリアは各個体の糞に含まれ、徐々に増加してゆきますので焦らずじっくりと構えましょう。
ディスカスを入れた後の管理ですが、ストレーナ吸い込み部のスポンジは一つの水槽にスポンジを2個用意し
毎日水道水で洗浄、丸1日乾かし翌日使用するようにしています。
濾過器内の管理は白いウールマットは毎週月曜日と木曜日に洗います。
2枚の内の上側を水道水でジャブジャブ洗い、下側にあったマットを上に
そして下側には前回洗ったマットをしっかりと乾燥させてから敷きます。
ウールマットは物理濾過のみと考え、バクテリアは不要です。
円筒濾材は月に一度バケツにとり飼育水でシャバシャバと洗います。
この時に濾材の表面のヌルヌル感、そして臭いをチェックします。
特に異常がなければ再使用、おかしければ半分から全量を取り替えます。
尚、ハンバーグを給餌時、濾材はよくもって5〜6ヶ月です。
スポンジ、ウールの掃除を怠けていると2〜3ヶ月でOUTになります。
あと、月に一度は濾過箱全体、濾過器内の樋、シャワーパイプ、吸い込みストレーナのパイプ内等を
スポンジとチューブブラシでゴシゴシ・シュッシュッと洗ってください。
面倒であれば同じ濾過器を2個用意し丸換えしてもOKです。
又、水槽内のヌルヌルは毎日、少なくとも2日に一度は擦り取って下さい。
水槽に手を入れるのはあまり気が進まないと仰る方はセルフィンプレコ(トリートメント済のもの)を入れて下さい。
これでディスカスは万全、すくすくと大きくなります。
なんとまぁ面倒な!っとお思いでしょうが慣れればなんということはありません。
1ヶ月もすれば身体が覚えてくれます。
頭で考えず身体で覚えましょう!!
続きまして、外部式フィルター(エーハイム等の密閉式)につきましては明日書き込み致します。
外部ガイブシキフィルター 2005年7月15日 (キン
エーハイムに代表される外置式密閉型フィルター、その秀逸さは抜群で濾過環境の立ち上がりの早さ
濾過能力の素晴らしさ、外観の美しさはアクアリストなら誰もがご存知でしょう。
皆様のなかにもお使いになってらっしゃる方、多数いらっしゃることと思います。
なのに…?最初はよかったんだけど最近ディスカスの調子が今ひとつで……という方いらっしゃいませんか?
ディスカスと外置式フィルター、言い換えればハンバーグと、このフィルターは最悪の組み合わせなんです。
吸い込まれたハンバーグのカスが直ぐにメイン濾材にあたってしまうこと、満遍なく水流が濾過器内を通ることにより
隅々までハンバーグのカスが行き渡ること、そして掃除が面倒なことによりあっという間に最高の濾過器である筈なのに
最悪のゴミ箱に化してしまうのです。
先日、上部濾過器でお話したことが外部式濾過器の場合は2〜3倍のスピードで起こります。
頑張って掃除に励んでください。
尚、成魚等のハンバーグを特に必要としない個体の飼育につきましては一変して
非常に優れたフィルターであることを追記しておきます。
明日からは繁殖について書き込みを致します。
何故、折角孵化し体着までしたのに親が食べてしまうのだろう?
稚魚の給餌をブラインシュリンプからハンバーグに切り替えて2週間位すると毎日ポツポツと黒くなって
死んで行くのは何故だろう(稚魚版ハンバーグシンドローム)?
ほんとに頭をいためた方、いためている方、たくさんいらっしゃると思います。
悩みを解きほぐしてまいりましょう!
トリートメント 2005年7月19日 (
トリートメントとは直訳しますと、治療・処置・手当て、という意味です。
長い道のり、時間をかけて輸入されたディスカスを病気にさせることなく日本の水に馴染ませることを言います。
では、具体的に何をやってるの?って思いますよね。
日常のディスカスの飼育、又、繁殖にも関係あることですので簡単に説明いたします。
旅行先でおなかが痛くなる方、いらっしゃいませんか?
私は、ペナンへまいりますと必ずおなかの様子がおかしくなります。
生水を飲んだりするわけじゃないんですけど必ずおかしくなります。
これって一体何故だと思われますか?
日常、日本にいない菌(雑菌)にペナンで出会うからなんです。
ディスカスも同じことなんです。
日本に輸入され今まで出会ったことのない菌にいきなり遭遇すると彼等は病気になってしまうのです。
そこで、発病させないよう、ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて日本の菌・バクテリアに馴染ませてあげるんです。
これが、トリートメントです。
先ず、新入荷の前に何をするか?
新しく入るディスカスを収容する水槽のセットをします。
水槽を店舗の駐車場に持ち出しタワシでごしごし磨きます。
水道水で流したあと雑巾できれいに水分を拭き取ります。
そして天日干し、天気の悪い日は店舗内でとにかくカラカラに乾燥させます。
以前はキッチンハ○ターを使用して消毒していたのですが今は使用しておりません。
ディスカスに悪さをする菌は水性菌であり乾燥させれば死滅するからです。
フィルター、エアチューブ、エアストーン、水温計等もすべて洗浄後、完全に乾燥させたものを使用します。
水のセットは入荷日前日です。
季節により設定水温は変わりますが晩秋〜初春は26℃、春〜秋にかけては28℃にしています。
そしてPHは5.0に設定します。
入荷日、段ボール箱をあけ、発泡スチロール箱をあけ、ディスカスの入った袋を取り出します。
収容予定水槽の前に発泡スチロール箱を置き、同一水槽に入れる個体を一つの発泡箱に入れます。そして水合わせ開始です。
エアチューブを使って水槽の水を発泡箱に注入して行きます。
できるだけゆっくりと注水してやる方がいいのですが、あまりのんびりしすぎると逆にディスカスが弱ることもありますので、
エアチューブ全開で行います。当初、発泡の中に入っていた水の倍量まで水位が上がったら、5分間休憩
次に発泡の水を半分捨てます。そして再度同じことを行います。
数分後、水位が元に戻ったら5分間そのままにしておきます。
そして、水槽に個体だけを掬って入れてやります。当店の場合は基本的に薬品類は使いません。
スレ傷、ひれ裂け等がある場合のみエルバージュを使用しています。
当日はそのまま蛍光灯も点けずそっとおやすみです。
翌日からは赤虫を少しずつ何回も食べるだけ与え、水の汚れに応じて20〜80%の換水を行い
4日間をかけてPHを当店の所定の6.7〜6.8にもっていってやります。
この間は特に手を石鹸で入念に洗い、消毒用アルコールをふりかけ、よく乾燥させることに神経を使います。
1日に100回位、手を洗うこともあります。都合5日間でトリートメント終了
2日間念のため個体の様子を見て延べ1週間にて販売開始です。
お客様宅にて水合わせ・温度合わせをせずに水槽に放り込むというような無茶をしない限り発病は致しません。
最後に、東南アジアのディスカス、特にペナンのディスカスは輸入後病気になりやすいとか
ディスカスエイズのキャリアだとか言われておりますがそんなことはありません。
日本に来て、日本の菌に出会って発病することがあるのであって原因菌は日本にいるんです。
ゆっくりと菌に馴染ませることによって病気は出ません。信頼できるSHOPでお求めになれば大丈夫です。
最後に現在は死語になりつつありますがディスカスエイズについて申し上げますと、
これは何処の水の中にでも居るカラムナリス、エロモナス菌をはじめとする雑菌類が巻き起こす複合感染症
人間でいうと風邪をこじらせたような病気をいいます。適切な処置を行えば早ければ4〜5日、遅くとも10日もあれば完治します。
PH6.0の水にて毎日換水、換水量に応じたエルバージュかグリーンFゴールドを投薬、餌もしっかりとやり続ければ
ケロッと治ります。人間が風邪をこじらせ39℃の熱がでれば1日や2日では治らないですよね。
ゆっくりと寝て滋養のある食事をし適切な薬を飲んでいれば4〜5日で治って行きますよね。それと同じなんです。
換水は人間でいうところの熱が出て汗をかいた時の着替えです。病気の時ほど食べなければ治りません。
しっかりと給餌し、清潔を保ち、薬を適量使用する…急いてはいけません。
明日以降はブリーディングの巻です。
何故、折角孵化した稚魚を食べちゃうのか?先ずは、この問題からまいりましょう。
ブリーディング 2005年7月23日 (ツチ
長らくお待たせ致しました。高松の土居のおやっさん、今日からボチボチと書き込み致しますのでご声援宜しく!!
さて、ディスカスの神秘的ともいえる繁殖についての書き込み開始でございます。
雑誌、専門誌、飼育書、インターネット等によく書いてありますよね
産卵したけど孵化しない、孵化したけど体着しない、体着したけど親が食べてしまう
親から離して1ヶ月後に黒くなってぽつぽつと落ちてゆき結局全滅してしまった…
原因は?…よく、こう書いてあります。
・水温
・PH
・硬度
・水槽の設置環境
・親の未成熟
・血の濃さ    等々… 果たしてそうなのでしょうか?
勿論、当たっていること、場合もありますが皆さんの思いは複雑ではないでしょうか?
そうなのかなぁ〜でも、他に原因があるような気がするんだけどなぁ〜
未成熟なペアであったり、水質が論外であったりすれば勿論駄目ですが
そこのところをクリアしても上手く行かない場合殆ど全ての原因は…
感の良い方はお解かりかと思いますが、このコーナーでよくよく申し上げてきた、そうバクテリアが原因なんです。
ディスカスは自然界において雨季に繁殖行動をとります。
雨がふり、PHが上がったときに産卵・繁殖行動をとります。
水槽飼育において大量の換水をした後に突然♀が産卵を始めたりするのはこの野生の本能の名残です。
♀に相相応しい♂がいれば放精行動にはいり目出度く孵化ということになるのですが…
ここからが皆さんの悩みの種かと思います。折角の卵を食べたり、孵化した可愛い稚魚を食べてしまうんですから
…こいつらは何てバカな親なんだ!!って思いますよね。
でもね、ディスカスくん達もいってますよ…食べたくて食べてるんじゃないわいな!って!!
ディスカスは、この水、この環境では自分達の愛らしい子供達を育成することが出来ない!と判断した時に
卵・稚魚を食べてしまいます。つらく、悲しい母性・父性本能がさせる業なんです。
ディスカスの繁殖に取り組んでみようと思われる方達は当然ペアをお持ちの筈ですし、
又、PHや水温等もコントロールできる筈です(硬度は日本の水道水を使用すればまず問題ありません)。
いろんな飼育書に書いてある通りにすればOKです。
でも、バクテリアについては殆ど述べられていないのではないかと思います。
バクテリアがウヨウヨいる水槽即ち水質ではペアは子育てを拒否します。
ディスカスブリーディングのサクセスロード、それはバクテリアをブリーディングタンクから極力排除し
水質の変化を極力抑える努力から始まります。当然、繁殖力のあるペアは必要ですが…
では具体的にどうすればいいのか…続きは又明日に。
ブリーディング続編ゾクヘン 2005年7月25日 (ゲツ
ブリーディングにとって何よりも必要なもの、それは先ずディスカスのペアです。
ペアの作り方、求め方については雑誌、書籍又インターネットにてあれこれ紹介されておりますので、それを参考にして下さい。
高値の華だった「ペア」も最近は各ディスカスショップの努力により、かなりお求めやすい価格になっておりますので
信頼できる、話しやすいショップを見つけ成魚ペアを購入されるのも早道かと思います。
但し、「取らぬ狸の皮算用」ではありませんが、ブリーディング成功時の稚魚買取システムについては必ず確認された方がいいと思います。
精魂込めて愛しんで育てた子供達の行き場所がない!ってことになりかねませんので…
先ず、ブリーディングタンクの準備を致しましょう。
水槽は60×45×45が価格的にも使いやすさからもベストかなと思います。
これを2本用意して下さい。1本はペア用、1本は溜め水用です。
この水槽を上下2段にセットできる棚を用意して下さい。
出来れば、上段に溜め水タンク、下段にペアタンクを設置して下さい。
下段に溜め水タンクでも又、横並びでも構いませんが上下設置が作業性に優れています。
ブリーディングにチャレンジしてみようという方ならば水槽を複数所有されている方が殆どだと思います。
ブリーディングチャレンジペアを先ず混泳槽にて充分に餌を与え健康溌剌、やる気ムンムンの状態にし
出来れば一度混泳槽で産卵させてください。その時に孵化確認までできれば申し分ありません。
産卵は1週間毎に5〜6回続けて行いますので卵を産んだと大騒ぎする必要はありません。
初回の産卵は数も少なく、孵化率も悪いことが多いので逸る気持ちを抑え次回の為
ブリーディング成功の為と割り切り孵化確認を第一義の目的として下さい。
話は戻り、2段設置水槽にいよいよペアを入れるわけですが、水質はどうするか?
下段水槽、即ちペアを入れる水槽のPH・水温を混泳槽と同じにして下さい。
通常はPH6.0〜6.8、水温28〜29℃かと思います。
但し、混泳槽の水を移すのではなく、新しい水を加温、PH調整して下さい。
エアレーションは水質の変動をより少なくする為ごく少量にして下さい。ポコポコポコでOKです。
ペア用の水槽に設置するものは産卵筒、エアポンプ、エアストン、水温計、サーモ&ヒーター、蛍光灯、蓋の以上です。
フィルターは不要です。
次に上段の溜め水水槽に水を入れます。
水温はペア水槽と同じにセット、但しPHはリン酸等で特に調整せずエアレーションを行ったあとの
PHが上がりきった状態でOKです。通常PHは7.3〜7.8位になっているかと思います。
極端にPHが上がる地域の方は7.9以下にセットして下さい。
念のため申しておきますと溜め水水槽に必要なものはエアポンプ、エアストン、水温計、サーモ&ヒーター、(蓋)の以上です。
溜め水水槽のエアレーションはブクブクブクッと強めに。
混泳槽での産卵後一週間弱が過ぎ、水のセットが出来たら
(勿論何日も水をブクブクする必要はありません。エアレーションを行い、一度PHを上げ、リン酸等で調整し安定すればOKです)
ペアを入れます。そして、その日は何もせず、餌もやらず、おやすみなさい。
翌日、ペア水槽の水を半分抜き、溜め水水槽の水を注入します。
水道用のホース(内径15mm)にて少しずつ注入すればPHショックの心配はありません。
この作業が終了したら溜め水水槽の水をペア水槽のPHと同じになるようにリン酸等で調整して下さい。
ディスカスは自然界において乾季から雨季にはいりPHが上がった時に繁殖活動に入ります。
ペア水槽のPHを上げることによりペアの繁殖本能を呼び起こさせるのです。
餌は一切与えません。混泳槽にて健康状態を万全にしておけば2週間前後の絶食は問題ありません。
餌を与えなくとも当初、糞をします。ペコペコ等で吸出し、減った分の水を溜め水タンクから補充します。
2〜3日の内に産卵する筈ですが環境の変化に戸惑い産卵行動の兆しが見えないようであれば混泳槽に戻して仕切り直しです。
無事、産卵・放精行動が見られれば3日後の孵化を楽しみにじっと辛抱です。
水質の悪化を防ぐ為、餌は一切与えないで下さい。糞をすれば吸出し、減った分、溜め水を補給してください。
とにかく、水質の変動、悪化を最小限に止め、雑菌の沸く要素をことごとくペア水槽から取り除いて下さい。
無事、3日後に孵化しました。まだ、じっと我慢です。もし、糞があれば同じ作業を繰り返して下さい。
そして、さらに3日後、稚魚が泳ぎ始め体着です。
まだ、親には餌は一切与えません。が、ペア投入後、一週間を経過してくるとそろそろアンモニアが出てきます。
体着した日から換水開始です。初日は1/3、徐々に増やし
3日後からは1/2の換水をして下さい。そして体着後一週間が無事経過、いよいよブラインシュリンプを与え始めます。
同時に親には少量の赤虫を与えます。
ここからがいよいよブリーディングの醍醐味ですが続きは又、明日以降に書き込みます。
ブリーディング続々ゾクゾクヘン 2005年7月28日 (モク
本題に入る前に、「品種によってブリーディングの難易度に差はあるのですか?」という質問を多数頂きます。
簡単ということではありませんが、青系と呼ばれているディスカス達(ブルーダイヤ・コバルト・ブリリアント等)は
子孫を残そうという意欲が強く多少の雑菌には負けません。
彼等は稚魚が孵化後、この環境・水質では何尾まで子育てが可能かを判断するのです。
皆さんの中にも経験された方が多数いらっしゃるかと思います。例えば200尾孵化したとします。
30匹なら可能だと判断すると170尾を瞬時に食べてしまいます。見てる方はパニックです。
何をするんや!このバカ親めが!って思ってると突然稚魚を食べるのを止めミルクを出し始め子育てに入ります。
しかも、よりすぐって元気のいい稚魚を体着させます。
静かな、PH・水温の安定した、雑菌の殆どいない環境を与えるとほぼ100%に近い子育てを行います。
何でもいいから兎に角ブリーディングを成功させたいという方は青系をお薦め致します。
さて、孵化・体着後5〜7日目位から親には赤虫を、稚魚には湧かしたてのブラインシュリンプを与え始めるわけですが
このあたりの話は各雑誌、書籍またインターネットにて多数報告されております。
当店の育成方法と大差ありませんのでそちらを参考になさって下さい。
只、ここで大きな問題が出てきます。
親・稚魚に投餌を始めることによる、食べ残し・排泄物です。
親を先々まで長く飼育したい!稚魚をすくすく大きく育てたいとお思いならこの日から換水・換水・換水…の日々が始まります。
毎日2回、食べ残し・糞をペコペコで吸い取り、親魚の背丈やや上まで水を抜き溜め水タンクの水を入れてやります。
量にすると60%です。今まで以上に溜め水のPH・水温には注意してください。
特にPHの大きな誤差は稚魚のエラに多大なる損傷を与えますので充分に注意して下さい。
ところで、いくらペコペコで丁寧に吸ってもブラインシュリンプの食べ残しがでるし、又水槽の内面にヌルヌルが付き始めます。
ここで、隠し技をお教えしましょう。強力な助っ人の登場です。
きっちりとトリートメントの済んだ小さなセルフィンプレコを1〜2匹入れて下さい。
信頼できるショップのプレコなら先ず大丈夫です。
親の身体を舐めませんか?って心配される気持ちはわかりますが
セルフィンプレコを入れる事によって雑菌の増殖が阻止できます。
彼らの働きぶりは絶大なるものがありますが、時々サボり君もいますので2匹入れれば安心です。
飼育者が水換え毎にスポンジでゴシゴシ水槽をこすりながらペコペコで吸い出せばいいのですが
現実にはかなり困難だと思いますのでお試し下さい。
尚、ここで換水・掃除をおろそかにすると雑菌が増殖し稚魚のエラ形成に支障を来たし
数日後に黒ずんでポツポツ落ちてゆくという事態が起こります。頑張ってプレコと力を合わせ雑菌軍団と戦ってください。
ブラインシュリンプ投餌開始後、早ければ3日、長く体着シーンを楽しみたい方は7日目に親から離し、稚魚のみの育成を開始します。
自慢の出来る、体形抜群・ハイフォームの個体を育成したいのであれば出来るだけ早く親から離し稚魚だけの飼育を開始して下さい。
尚、どんな体形でもいいから楽に育てたいという方はずーっと親と一緒に飼育・育成することも可能です。
この方法は各雑誌等に紹介されていますのでそちらを参考になさって下さい。又、お問合せ頂ければアドバイス致します。
稚魚だけの飼育、これからが本当のブリーディング本番です。
稚魚をハイフィン・ハイフォームの個体に500玉サイズまで育て上げる。
ここからの2ヶ月がディスカスの体形を決定付けます…
そして、ハンバーグシンドロームの解決策は…
続きは又、明日以降をお楽しみに。
稚魚チギョ育成イクセイマキ 2005年8月5日 (キン
親から稚魚を離し、育成開始です。
先ずはブラインシュリンプを投餌するわけですが、この段階ではあまり神経質になる必要はありません。
あれこれ、飼育書・雑誌・インターネットの書き込み等にて紹介されておりますが、少々の塩水が稚魚育成水槽に入ろうと
ブラインの殻が入ろうと大した問題ではありません。
確かに、殻や未孵化卵を稚魚が食べる事により死亡することはあるようですが
例えば100尾の稚魚を全部完璧に育成することは何れにせよ不可能に近いことです。
90%を育成できれば充分だと割り切った方がリラックスできて案外うまくいくものです。
ペナンのブランドブリーダー、テオベンチャイ氏はブライン投餌の際、網で殻ごとドサーッと掬って稚魚水槽に放り込みます。
チャイ氏いわく、「殻を食べて死んじゃうような仔はどっちみち育たないよ」ですって…。私も同感です。
あまり細かな事は気にせず、元気な丈夫な仔を育成して下さい。
ブラインは淡水に入れると直ぐに死んでしまうように思っておられる方がいらっしゃるようですが3時間位は生きてます。
少々多めに投餌してもきれいに食べ尽くしますし、又、働き者のプレコが掃除をしてくれます。
さて、投餌回数ですが、仕事が忙しいのは重々理解出来ますが出来れば1日に4回、悪くても3回はやって下さい。
量が少なすぎると成長不良をおこしますので、大丈夫かなぁ?と思うくらい、やや多めにやって下さい。
残りはプレコがしっかりと食べてくれますから…時間の都合をつけ、泣き言を言わず頑張って下さい。
因みに当店は1日に6回の投餌を行っております。
次に換水ですがブライン投餌の間は1日に2回、半分量で大丈夫ですが、出来る方はもっとドンドン換水をして下さい。
1日2回、90%できれば万全です。
くれぐれも換え水のPH・水温のチェックは忘れずに!
稚魚育成スタートから1ヶ月が経過…稚魚は1円玉に尾びれがついた大きさになっているはずです。
しっかりと投餌・換水を続けられた方はこの時点で10円玉サイズまで育成されている筈です。
ブラインは継続して与え続けるのですが、なかでも大きく育った個体はブラインを食べることを邪魔くさがるようになります。
この時期がハンバーグ投餌の頃合です。
さて、いよいよハンバーグ投餌開始…そしてハンバーグシンドローム…
いやーな言葉ですよね…でも、そんなに怖がることはありません。
やるべきことを毎日こつこつと、こなしていけば稚魚はすくすくと育ちます。
では、なにをするねん?
それは、バクテリアから稚魚を守り、バクテリアとの戦いに勝つことです。続きは又、明日。
ゾク稚魚チギョ育成イクセイマキ 2005年8月9日 (
親から離し稚魚の単独飼育に切替てから1ヶ月強を経過すると10円玉に尾びれをつけたサイズまで育っている筈です。
ここまでくると稚魚はブラインを食べることを面倒くさがるようになります。
いよいよハンバーグ投餌の開始ですが、今まで通りブラインを与えながら、最初は極少量のハンバーグをおやつ感覚で与えて下さい。
次第にハンバーグの美味しさに目覚めた稚魚達はブラインを追うことをやめ、ハンバーグをねだるようになります。
毎日、徐々にハンバーグを増量し、10日間を目途にブラインからハンバーグへ切替えて下さい。
さて、ハンバーグを与え始めると水の汚濁の凄さに驚かれると思います。
当初は今まで通り、毎日2回、50%の換水でいいのですがハンバーグの投餌量増加に応じ換水量を増やしていって下さい。
ハンバーグへ完全に移行した後は毎日2回95%の換水が不可欠になります。
そして、忘れてはならないのが水槽内のヌメリとりです。
換水の度に水槽内面、ヒーターのコード等に付くヌルヌルをスポンジでこすり落としてください。
ここで換水・ヌメリ掃除をさぼると、後々ハンバーグシンドロームに悩まされることになります。
ハンバーグの投餌は最低1日4回、出来れば6回お願いします。
2〜3回投餌し換水、そして2〜3回投餌し換水
…これを我慢強く繰り返すことが稚魚をすくすくとハイフィンハイフォームに育て上げる全てと言っても過言ではありません。
1回の投餌量は全魚に隈なく行き渡るようたっぷりと与えて下さい。
水が汚れるからといって量を控えると大きさのばらつきが出たり、体形が悪く(ロケット型)なります。
餌をたっぷり、換水たっぷり、掃除はキッチリ…これが“My Dream Discus”育成の全てです。
ハンバーグ投餌開始から7cmサイズまで育成する3ヶ月間は何も考えず寝食の時間を惜しみ稚魚育成に全力で頑張って下さい。
「仕事が忙しい」は禁句です。
尚、飼育環境ですが、今まで通りフィルターは一切付けず、エアレーションのみで育てる方が失敗が少なくなります。
でも、水の汚れがあまりにも凄くて心配ですと仰る方はスポンジフィルターを1個つけて下さい。
但し、このフィルターに求めるものは本来の濾過バクテリアによる生物濾過ではなく
水中を浮遊するハンバーグのカスを寄せ集めること、即ち物理濾過だけを目的とします。
必ず、毎日洗浄して下さい。必ずです!!
いいですか、必ず毎日洗浄して下さい!!!このスポンジは雑菌の温床なのですから!
スポンジは出来れば複数を用意し水道水でジャブジャブ洗って完全に乾燥させてから使った方が安全です。
又、より心配症の方はキッチン○イターを規定量溶かした水に1時間浸すか
液体ミ○ーズ石鹸で揉み洗いした後、水道水でジャブジャブ洗い天日干しして下さい。
どちらもよく洗浄し完全に乾燥させれば魚に害はありません。
でも、こんな邪魔くさいことをするならばノンフィルターの方がいいと思いますが…。
あと、心強い味方としてセルフィンプレコの再登場です。
ハンバーグを与え始めたら3匹追加、計5匹を入れて下さい。
さすれば、毎日のスポンジでのゴシゴシは必要ありません。プレコくんたちがしっかりと舐め尽くしてくれますから。
約30年前に登場したハンバーグという画期的な餌はディスカスの飼育に革命をもたらしました。
栄養価の高さ、食いつきのよさは勿論、いろんなものを簡単に配合することができます。
ビタミン・ミネラル・虫下し薬・増色用サプリメント・植物繊維…
ホントに素晴らしい飼料です。
が、いかんせんこれはビーフハート、要は生肉です。
ディスカスがハンバーグを一切残さず綺麗に食べ尽くしてくれればいいのですがそうも行きません。
この水槽内に残留したハンバーグのカス・ヌメリがハンバーグシンドロームを巻き起こします。
ハンバーグシンドロームとは…
稚魚育成において殆どの方が上部濾過器・スポンジフィルターを水槽に設置されています。
食べ残した、食べる途中で細かな粒子となったハンバーグのカスは当然このフィルターに吸い込まれ、そして蓄積されます。
30℃という高水温にも後押しされ雑菌が恐ろしいほどのスピードで増殖を開始します。
そうです、フィルターは水を浄化する器具ではなくゴミ箱・雑菌育成箱と化してしまうのです。
この辺りの話は7月12日付 『上部濾過器』 の巻に書き込みしておりますので御一読ください。
フィルター内、水槽にへばりついたヌメヌメを温床とし大増殖した雑菌・バクテリアは飼育水中にうようよとと漂い
稚魚にまとわりつき、当然エラにも付着します。雑菌に侵された稚魚の薄膜のようなエラは成長を阻害されます。
そして、数日から数週間が経過し魚体が大きくなり酸素消費量が多くなった頃
必要な酸素を取り込むだけのエラをもたない稚魚は酸欠症状をおこし、黒ずみ、ポツポツと死んで行くのです。
この段階で焦ってどんな魚病薬を使っても効果がないのは自明の理です。
今更、エラが再生する筈はないのですから…
エラは魚体が7cmサイズまで成長するとしっかりと形成され少々の雑菌には侵されなくなります。
7cmまでが勝負です。頑張って雑菌と戦って下さい。
毎日、換水・掃除をしていても雑菌の増殖はもの凄いものです。
毎日、投餌・換水の際に稚魚を観察し1匹でもエラをヒーター等に擦り付ける仕草をする固体が現れたら要注意です。
エラに雑菌が侵食している証です。
即刻、換水を行い水を綺麗にしてから薬でエラについた雑菌、水中の雑菌を退治しなければなりません。
ここでの時間猶予はありません。即、行動です。
薬はホルマリンを使用します。
劇薬ゲキヤクですので充分に保管・使用には注意して下さい。
最初の投薬は水100Lに対し、ホルマリン2CC これで4時間様子をみます。
稚魚の体表に水膨れのようなものが見えたりしたら時間が来ていなくとも95%換水して下さい。
勿論、この間は投餌はしません。
症状の改善がみられなければ再度、同量を投薬、時間を徐々に延ばし最長12時間行います。
必ず、換水を行い綺麗な水にしてから投薬すること、薬浴中は餌なし、を厳守して下さい。
ホルマリンは入れ過ぎなければ魚に後遺症は残りません。
但し、効かないからといって大量に使用すると、眼欠けや巻きウロコ等がおきますので注意して下さい。
又、ホルマリンの入れすぎ・長時間薬浴等により肌荒れを起こしたときはグリーンFゴールドもしくはエルバージュを規定量
24時間の薬浴をすれば治ります。よく勘違いをされる方がいらっしゃるのですが、延べ連続24時間です。
薬浴中に水に濁りが見えたら95%換水、そして再度投薬、延べ24時間になるように薬浴するんです。
濁りの原因は体表から出る粘膜なのですがこれが雑菌を増殖させますし
粘膜のカスがエラに入り込みエラガバになることがありますので気を付けて下さい。
稚魚育成時にハンバーグを与えるとエラ病の症状は必ず起こります。
雑菌が増えにくい環境を作り、症状が見えたら即、処置を施す…これをキチンと続ければ稚魚はすくすく育ちます。
慣れてしまえば何ということはありません。
とはいっても時間が無いのは事実ですから自分に合った飼育方・育成方で試行錯誤を繰り返し、構築してゆくしかないのです。
ディスカスマニアが100人いれば100通りの飼育管理法があります。
皆さん、自分に合ったディスカス道を頑張って構築して下さい。当店はその手助けを精一杯させて頂きます。
尚、おおっぴらに書けないことも多々ありますし、解りにくい点もあるかと思います。
質問事項を整理し、メモをご用意の上、お電話下されば詳しく説明させて頂きます。
メールでの質問は御質問者の飼育環境・キャリア・知識度等が解りにくく結局多大な時間がかかりますので
出来るだけ電話にてお願い致します。
ミズ 2005年8月11日 (モク
「水換えにまさるフィルターはない」改良ディスカスの祖、ジャックワットレイの有名な言葉です。
あらゆる、飼育書・雑誌等にて紹介されておりますし、Shopにてもよくでる言葉ですので
マニアの方なら一度は眼にしたり、お聞きになったことがあるかと思います。まさしく言い得て妙、その通りです。
ところが、この言葉の意味が正しく理解されず皆さんを呪縛のように縛り付けているんです。
よく質問があります。
「水換えは何日おきにすればいいんですか?」
「毎日、水換えしてるんですけどPHが凄く下がるんです?」
「毎日、水換えしてるのにディスカスの調子が悪いんです?」…
ディスカスは新鮮なよくこなれた水を好むことは以前にもお話したかと思います。
溜水水槽でPH調整した水でドンドン換水してやれば絶好調である筈なんです。
ところが…調子が上がらなくて…なんで〜?
答えは濾過槽、濾材、バクテリアです。
この辺りのことは以前、上部濾過器のテーマで書き込みをしておりますので再度お読み下さい。
「水換え」は濾過槽、濾材の掃除を日々しっかりとこなしてはじめて有益なものになるんです。
いくら新しい綺麗な水を水槽にいれても、その水が汚れた濾材のなかをくぐれば元の木阿弥なんです。
フィルターを過剰装備した水槽の場合、設置後2〜3ヶ月が経過するとバクテリアが湧きすぎ
濾材が目詰まりをおこし、いくら水換えをしてもPHが翌日には4点代まで下がってしまうという経験をされた方
沢山いらっしゃいますよね。よ〜く考えてみて下さい。その状況で毎日換水をドンドンやるとどうなるか?
換水前PH4.0→大量換水後PH6.5→翌日PH4.0…連日PHが2〜3も変動するような環境で
ディスカスが元気で居られる筈がないでしょう…そう思いませんか?
調子が悪いなぁ〜っと思ったら先ず濾過槽のチェック!濾材の洗浄!そしてその後、換水です。
順序を間違えると良かれと思って眠い眼をこすって頑張った水換えがなんにもならないどころか
ディスカスの調子をより悪化させる事になるんです。
この言葉におけるジャックワットレイの真意そして質問の多い魚病薬の使い方についての書き込みを明日もしくは数日後に致します。
お楽しみに!!
ギョビョウヤク 2005年8月20日 (
ナガらくサボりましてモウワケありません。
皆様からよく『薬』の使い方のご質問を頂きます。
症状に応じてどんな薬を使うかは、各専門誌・書籍・インターネット等にて紹介されておりますので
まずはそちらを参考にされれば良いかと思いますが、ひとつ重要な事が抜け落ちています。
それは何かと言いますと…
薬は、きれいな環境、すなわちきれいな水で使用しなければ思う通りの薬効が期待できないということです。
薬を使うと決めた時はまず、フィルターの掃除、水換え、それから投薬です。
フィルターの掃除・換水だけで、症状が改善される事が多々有りますが、それでも治りきらない時に投薬するわけです。
汚れきったフィルターそして雑菌だらけの飼育水に投薬する事は魚の症状をより悪化させますので、必ずこの順序を守って下さい。
そして次に、投薬量ですが、薬という物は規定量を使わないと効果がありません。
人間の場合を考えてみてください、皆さん風邪をひいたらどうなさいますか?
汗をかけば着替え、清潔にし、薬を決まった量飲み、栄養のある物を食べ、ぐっすり寝ますよね?
着替えが掃除であり、水換え。そして投薬、食事です。人間もディスカスも同じです。
よく薄めにとか、規定量の半分とか曖昧模糊とした表現が多く見受けられますが
魚病薬に添付されている説明書をよく読み、きっちりと使用して下さい。
また魚病薬使用時、水が汚れることを恐れ、餌を抜く方がいらっしゃいますが病気の時こそ、しっかりと栄養のある物を与えて下さい。
治るものも治りません。個々の薬の使い方については、順次カキコミいたしますのでお待ち下さい。
お急ぎの方は、別途メール・電話下さいませ。
ギョビョウヤク追記ツイキ 2005年8月21日 (ニチ
魚病薬使用時、殆どの方が水換えをしていないのではないかと思います。
薬を使うと、水が凄く汚れ濁ることが多々有ります。
これはディスカスが体表から粘膜をだらだらと出すからなんです。
この粘膜は雑菌の餌になると同時にディスカスのエラに入り込み、付着し、後々ディスカスのエラをガバガバにしてしまいます。
経験のある方、沢山いらっしゃると思います。魚病薬使用時、水が濁ったら換水して下さい。汚い水では治るものも治りません。
但し、必ず12時間以上エアレーションした水温・PHを調整した、よくこなれた綺麗な水を使ってです。
そして、換水量に応じて、魚病薬を追加投与して下さい。
薬は使い方を間違えると「毒」になります。
人間の病の時にはどうするか?を考え、しっかりと理解、納得してディスカス飼育に励んでください。